今回はフランス・ボルドーとブルゴーニュワインの飲み比べです。
どちらも人気の産地ワインですが、飲み比べることで、どちらの産地が自分好みかを掴んでもらえればと思います。
ボルドーワインとブルゴーニュワイン
ボルドーワイン(Bordeaux)
生産量の99%がAOCワインです。
フランスのワイン産地は川の流域にあることが多く、ボルドーもその例に漏れないです。
また、ボルドーの街は古くからの港町で各国との公益が盛んに行われ、ワインの発展にも川の存在が大きく関わっている。
例えば12世紀半ばには、同地アキテーヌ地方の女公アリエノールと、後に英国王ヘンリー2世となるアンリ・プランタジュネの婚姻によって、英国領となり、同国との交易で栄えた。
17世紀にはオランダとの交易により、同国より灌漑技術を学び取り、メドック地区の畑が発展することになる。
そして、川の存在はワインの地区ごとの特徴にも影響している。
この地方の土壌は石灰岩を基盤とし、川が運んできた堆積土でできている。
そして、ジロンド川左岸のメドック地区では砂利や砂が多く、主要品種はカベルネ・ソーヴィニヨン種になる。ドルドーニュ川右岸のサンテミリオンやポムロール地区では粘土質が多く、主要品種はメルロー種になる。
このように主要品種が異なることで、仕上がるワインの特質にもちがいがでてくる。
また、ボルドーワインの特徴として、複数品種のブレンドが挙げられる。
その利点の一つは、品種同士がそれぞれの長所、短所を保管し合い、バランスよいワインに仕上げられることもある。
もうひとつは、複数品種を栽培することで、年ごとの気候の違いによるワインの出来の差を最小限に留めることができることです。
現在ボルドー地方の栽培面積は12万4000ヘクタールほどで、生産量は約9億本ある。
その大半が赤ワインで、白(甘口、辛口を含む)は減少傾向にあり、約10%ほど。
少量のロゼとスパークリングも存在する。
また、50位上のAOCのがあり、フランスのAOCワインのうち26%がボルドー産です。
ボルドーワインの99%がAOCワインというのも特徴的です。
※ AOCワインとは、フランスワインのカテゴリーで法律的に最も格上に位置している。原産地、使用ブドウ品種、最大収穫量、生産方法など、多くの規制に則ったワインです。
ブルゴーニュ(Bourgogne)
細分化され続ける畑です。
2~3世紀頃、ローマ人によってブルゴーニュでブドウ栽培が始まりました。
そして、12世紀以降の修道士たちの活動で、ワイン造りが大きく発展しました。
ペネディクト派に続き、この地に拠点を置いたシトー派修道士たちは、常に施策を重ね、比較し、記録をとり、研究を重ねていくうちに、できあがるワインが畑ごとに異なる事に気がつきました。
つまり、「テロワール」の概念をすでにもち、畑や区画の優劣や個性の違いを理解してワイン造りを行っていた。
ブルゴーニュの産地は、北はシャブリに始まり、コート・ド・ニュイとコート・ド・ボーヌ(この2つを総称してコート・ドールと呼ぶ)、その南にコート・シャローネズ、マコネと続き、ここまでで2万8000ヘクタール強ある。
川得てボジョレーが2万2000ヘクタール近い。
しかし、すべて合わせてもボルドーの半分にも満たない広さです。
そして、ボルドーの場合は大半の醸造所が畑に併設され、格付けが各シャトー(醸造所)ごとになされているのに対し、ここでは複数人が所有する畑ごとに格付けされているため、複雑な構造となっている。
フランス革命によって教会や貴族の領地は政府が没収後、売却・分割され、さらにナポレオン民法によって相続が行われるたびに細分化されています。
このような状況下で、造り手は、ブドウや果実、ワインを購入して造る。
”ネゴシアン”と自社畑のブドウのみ使用する”ドメーヌ”に大きく分かれる。
近年、”ドメーヌ”需要が高まっているが、反面”ネゴシアン”は自社畑を増やし品質向上に余念がない、というのも事実です。
もうひとつのブルゴーニュの特徴は、ほとんどが単一ブドウ品種で造られることです。
この地は大陸性気候で、ボルドーと比べると冬は寒く、夏はより涼しくて短いです。
よって、早く熟す品種が選ばれ、コート・ドールの大半は白はシャルドネ種、赤はピノ・ノワール種による(その他に、アリゴテ種の白、ガメイ種とピノ・ノワール種のブレンドものがある)
フランス ボルドー&ブルゴーニュ 赤ワイン6種類を紹介
CLOS DES LUNES LUNE D’ARGENT 2015
名前 | クロ デ リュヌ リュヌ ダルジャン 2015 |
生産者 | ドメーヌ ド シュヴァリエ |
生産地 | フランス・ボルドー地方 |
種類 | 白ワイン |
品種 | セミヨン種70%、ソーヴィニヨンブラン種30% |
価格帯 | 3,000円 ~ 4,000円 |
あの格付け1級シャトー・オー・ブリオンと並ぶといわれるドメーヌ・ド・シュヴァリエのオーナーが、ソーテルヌ地区で造る辛口の白ワインです。
レモンピールのような爽やかな香りが溢れ、バニラやブリオッシュなどの樽のニュアンスも感じます。
爽やかな酸味とミネラル感があり、これからの季節に美味しく楽しめる白ワインです。
POUILLY-FUISSE 2014
名前 | プイィフュイッセ 2014 |
生産者 | シャトー ド フュイッセ |
生産地 | フランス・ブルゴーニュ地方 |
種類 | 白ワイン |
品種 | シャルドネ種100% |
価格帯 | 4,000円 ~ 5,000円 |
プイィ・フュイッセのいうマイナーなアペラシオンをブルゴーニュ地方南部の田舎酒からコストパフォーマンスに優れたスタイリッシュな辛口白ワインへと導き、世界に大きく広めたのが、5世代にわたってシャトードフュイッセを守るヴァンサン家です。
しっかりと厚みのある白ワインはムルソーと間違うソムリエも多い秀逸な1本です。
CHATEAU GRAND BARRAIL LAMARZELLE FIGEAC 2015
名前 | シャトー グラン バライユ ラマルゼル フィジャック 2015 |
生産者 | シャトー グラン バライユ ラマルゼル フィジャック |
生産地 | フランス・ボルドー地方 |
種類 | 赤ワイン |
品種 | メルロー種65%、カベルネフラン種35% |
価格帯 | 4,000円 ~ 5,000円 |
1840年に創立されたネゴシアンであるドゥルト社がサンテミリオンに所有するシャトーです。
土壌は約80%が鉄分を含む粘土質で、メルロー種やカベルネフラン種の栽培に適しています。
カベルネフラン種の樹齢は50年以上で、メルロー種のまろやかさに、カベルネフラン種の強さと複雑さが混じり、バランスの良いボルドーワインです。
GEVREY-CHAMBERTIN 2014
名前 | ジュヴレーシャンベルタン 2014 |
生産者 | ヴァンサンカ ルグー |
生産地 | フランス・ブルゴーニュ地方 |
種類 | 赤ワイン |
品種 | ピノ・ノワール種100% |
価格帯 | 7,000円 ~ 8,000円 |
DRC社に祖父、父共に勤務し、1998年に丁稚奉公で入社したヴァンサン氏です。
若手のエースとしてグラン・エシェゾー、エシェゾーの栽培を任されていました。
2005年には全ての畑のブドウ栽培を行い、2006年に退社。
2008年に自分のドメーヌを設立しました。
樹齢70年古木から造られるワインは深みがあります。
BEAUNE 2014
名前 | ボーヌ 2014 |
生産者 | ヴァンサン ルグー |
生産地 | フランス・ブルゴーニュ地方 |
種類 | 赤ワイン |
品種 | ピノ・ノワール種100% |
価格帯 | 5,000円 ~ 6,000円 |
上と同じ造り手のボーヌ村のワインです。
2010年から完全にビオロジー栽培としました。
栽培も醸造も除梗率や新樽比率などを覗いて、基本的にはDRCでやってきたことをそのまま行っています。
最も大事なことは観察することで、全てにおいて、自分の目で見て確認することをモットーにしています。
樹齢は50年です。
LES FIEFS DE LAGRANGE 2015
名前 | レ フィエフ ド ラグランジュ 2015 |
生産者 | シャトー ラグランジュ |
生産地 | フランス・ボルドー地方 |
種類 | 赤ワイン |
品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン種65%、メルロー種28%、プティヴェルド種7% |
価格帯 | 4,000円 ~ 5,000円 |
ボルドー・メドック地区格付け第3級シャトー・ラグランジュのセカンドワインです。
1933年に日本のサントリーが買収し、驚くべき改良で1960年代、1970年代で傷ついた名声を完全に取り戻し、外観も非常に美しいシャトーに返信しました。
ワイン評論家ロバート・パーカー氏も第2級に格上げされるべきとのコメントをしています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ボルドーワインとブルゴーニュワインでは土地や気候、それぞれの評価により造られるワインもだいぶ変わってくることがわかります。
濃いワインであればボルドーワイン、優しい味わいのワインであればブルゴーニュワインのように、特徴を捉えることで自分の好きな地域のワインを知ることができるでしょう。
是非それぞれのワインを飲んで好きな産地を確かめてみましょう。