今回は、フランスの赤ワイン品種を6種類紹介します。
この記事で赤ワイン品種6種類の特徴を覚えて、自分好みの品種を見つけていきましょう。
赤ワインブドウ品種を解説
ガメイ種(GAMAY)
フランスでは何と言ってもブルゴーニュ地方のボジョレーが有名ですが、その他ロワール地方や南西地方など全国的に栽培されています。
新世界ではカリフォルニア州でナパガメイとして栽培しています。
ピンクがかった明るい紫色で、イチゴドロップ、イチゴジャム、バナナのような甘いアロマを持ち、爽やかな酸味と軽快なフルーティーさが特徴です。
ボディは軽く、フレッシュでやや甘さを残すこともあります。
ピノ・ノワール種(PINOT NOIR)
冷涼気候でその適正を発揮できる品種で、フランスのブルゴーニュ地方が有名ですが、シャンパーニュ地方やアルザス地方、ドイツ、スイスでも伝統的な品種です。
カベルネ・ソーヴィニヨン種と違い、単独品種でつかわれることがほとんどです。
最近はイタリアのトスカーナ州やウンブリア州でも大変優れたものができるようになりましたし、新世界ではカリフォルニア州の各地で有名なワイナリーが現れ、オレゴン州ではブルゴーニュ地方のノウハウを駆使したワイン造りが行われ、世界的な名声を得ています。
最近特に注目されているのはニュージーランドで、その冷涼気候も手伝って各地で優良なピノ・ノワール種のワインを見ることが出来ます。
また、オーストラリアでもタスマニアやビクトリア州南部を中心に注目すべきものが現れてきています。
外観はやや透明感のある明るいルビー色ですが、地域や造り方によりかなりの差があります。
香りはイチゴ、チェリー、フランボワーズのような赤いフルーツ香や黒胡椒のようなスパイシーな香りがあり、熟成してくるとさらに複雑さが増し、さらに熟成すると動物の革、トリュフ、チョコレートのような乾いた香りとなります。
ブルゴーニュ地方ではその土地のテロワールに起因するいろいろな香りを持ち合わせていて、複雑で深い風味となります。
味は酸味が中心ですが、タンニンも穏やかですがしっかりとあります。
高品質なものは複雑でボディもしっかりしていた、余韻も長く、フルーツの甘さが残り、エレガントでフィネスを感じます。
グルナッシュ種(GRENACHE)
黒ブドウ品種では世界最大の生産量を誇ります。(白ブドウの最大品種はアイレン種で、これが総合で世界NO1)
フランスでは南部一帯で多く生産され、ローヌ南部位ではシャトーヌフ ドュ パプの主要品種であり、特にルーション地方では赤のVDN(ヴァンドナチュレ)の原料ブドウとなります。
この品種の原産地であるスペインでもガルナッチャ種として全国で栽培されています。
色が極めて濃厚で、どちらかというと赤紫色で香りには甘さがあり、酸味は少なめで豊かなフルーツフレーバ、ソフトなタンニンを持つフルボディのワインとなります。
メルロー種(MERLOT)
カベルネ・ソーヴィニヨン種同様に世界中で栽培されている国際品種ですが、より早熟な特徴があります。
ボルドー地方ではドルドーニュ川右岸のサンテミリオンやポムロールでの主要品種として知られていますが、メルロー種はそもそもボルドー地方における最大栽培品種(全体の約75%)で、メドック、グラーヴを除けば、すべての赤ワインづくりにおける主要品種です。
有名なシャトー・ペトリュスや今や世界最高値のワインとなったシャトー・ル・パンなどもメルロー種によるもので、極めてプレステージの高い品種と言えます。
この他、フランスではラングドック地方や南西地方、またカベルネ・ソーヴィニヨン種とともにイタリア、スイス、ハンガリーなどの東欧諸国でも栽培されていますが、なかには世界的トップ水準に達したものもあります。
一方新世界でも極めてポピュラーな品種で、アメリカではカリフォルニア州やワシントン州でよく栽培されていて、ややフランスとは違った特徴を示すワインとなっています。
また、オーストラリア、ニュージランド、南アフリカ、チリでも盛んに栽培されています。
濃いめの色調で、カベルネ・ソーヴィニヨン種同様、若い内は黒紫のニュアンスが強いです。
通常、カベルネ・フラン種、カベルネ・ソーヴィニヨン種と混醸され、土臭さ、キノコやホコリっぽい香り、また熟成すると干しプラムやチョコレートの香りがあり、フルーティーで、カベルネ・ソーヴィニヨン種に比べると酸度やタンニンがやや弱めです。
カベルネ・ソーヴィニヨン種(CABERNET SAUVIGNON)
カベルネ・フラン種とソーヴィニヨンブラン種の交配により誕生したことが近頃判明した、世界で最もポピュラーな品種です。
若いうちは深い黒紫のニュアンスを帯びたガーネット色で、複雑な香り、しっかりとしたタンニンと酸を備え、新樽による成熟に耐えうる確固としたポテンシャルを持った、長期熟成型の品種です。
ヨーロッパではなんといってもボルドー地方・メドック地区が有名ですが、イタリアのスーパートスカーナではなんといってもベガ・シシリア・ウニコなどでの配合でも、その実力をいかんなく発揮しています。
新世界でも、アメリカ・カリフォルニア州・ナパのオーパスワンやオーストラリアのペンフォールド社が造るBIN707など、その国を代表とするワインとなっています。
多くの場合、メルロー種、カベルネ・フラン種、テンプラニーリョ種、シラー種と混醸され、バランスある味わいが出されています。
外観は濃いめの色調で、若い内は黒紫のニュアンスを含んでいます。
香りは若い内のアロマは、カシスのようなフルーツ香、黒コショウ、シナモンのようなスパイス、その他にミント、インク、杉板、樽のロースト香を含み、熟成してくるに従い、タバコや珈琲、チョコレートのようなニュアンスを持つようになります。
味はしっかりとした酸と豊かなタンニンを含み、これが長期熟成を可能にしています。
フルーツフレーバーも豊かで、比較的アルコール分に富み、しっかりとしたボディと長く豊かな余韻があります。
熟成により全体にまとまりができ、複雑さもましてきます。
ムールヴェードル種(MOURVEDRE)
スペインのバレンシア州が原料とされる赤ワインブドウ品種です。
深みのある色調と締まったタンニンが特徴的で、世界のこの品種の85%がスペインで栽培され、スペインではモナストレルと呼ばれます。
ちなみに、アメリカやオーストラリアでは、マタロと呼ばれている品種です。
主には補助品種としてブレンドされることが多いです。
フランス赤ワイン6種類を紹介
BEAUJOLAIS VILLAGES 2015
名前 | ボジョレー ヴィラージュ 2015 |
生産者 | ドメーヌ ローラン ペラション |
生産地 | フランス・ブルゴーニュ地方 |
種類 | 赤ワイン |
品種 | ガメイ種100% |
価格帯 | 1,000円 ~ 2,000円 |
1877年にジュリエナ村に創業ですが、1601年に村の名簿にも名前が残る古い家系です。
当主はボジョレークリュ委員会の副理事長とジュリエナ生産組合長を兼務する6代目のローラン氏で、若い頃はボルドーのシャトー・オーゾンヌで修行を積みました。
樹齢45~100年の古木にこだわり、伝統的なワイン造りを追求しています。
FIXIN 2014
名前 | フィサン 2014 |
生産者 | クリストフ ブヴィエ |
生産地 | フランス・ブルゴーニュ地方 |
種類 | 赤ワイン |
品種 | ピノ・ノワール種100% |
価格帯 | 4,000円 ~ 5,000円 |
30歳になるクリストフ氏がビオロジック農法で栽培したブドウから造る、人柄がにじみ出ている優しいブルゴーニュワインです。
品種固有のイチゴやサクランボの香りがあり、甘みと酸味のバランスも絶妙です。
CUVEE NICOLAS GRENACHE 2016
名前 | キュヴェ ニコラ グルナッシュ 2016 |
生産者 | ラファージュ |
生産地 | フランス・ルーション地方 |
種類 | 赤ワイン |
品種 | グルナッシュ種100% |
価格帯 | 1,000円 ~ 2,000円 |
地中海に面したフランスとスペインの国境付近で造られます。
濃厚なこってりとした香りは干し柿などのドライフルーツやジャムを想わせます。
甘みがしっかりあるどっしりとした赤ワインで酸味はさほど強くは感じません。
アルコール度数も15%と高いワインです。
この価格でこの美味しさはとてもお値打ちです。
CHATEAU CARLMAGNUS 2012
名前 | シャトー カルルマグニュス |
生産者 | シャトー カルルマグニュス |
生産地 | フランス・ボルドー地方 |
種類 | 赤ワイン |
品種 | メルロー種100% |
価格帯 | 3,000円 ~ 4,000円 |
オーナーのアルノー・ルー・オリエ氏は祖父の代より続くこのシャトーを1998年に引き継ぎました。
ドルドーニュ河を見下ろす高台にあるシャトーはサンテミリオンの台地とほぼ同じ標高です。
フロンサックのペトリュスを目指すというアルノー氏の意気込みを感じられる質の高いワインです。
GOULEE 2012
名前 | グレ 2012 |
生産者 | シャトー コス デストゥルネル |
生産地 | フランス・ボルドー地方 |
種類 | 赤ワイン |
品種 | カベルネ・ソーヴィニヨン種70%、メルロー種30% |
価格帯 | 4,000円 ~ 5,000円 |
濃厚で力強い贅沢な造りのボルドーワイン好きの心を掴むサンテステフ格付け第2級シャトー・コス・デストゥルネルが手がける赤ワインです。
新樽比率50%の贅沢でリッチな味わいは、さすがコス・デストゥルネルを飲み手を唸らせるこの価格とは思えない、スーパーボルドーワインです。
LIRAC LES MUSES 2013
名前 | リラック レ ミュセ 2013 |
生産者 | ドメーヌ デュ ジョンシエ |
生産地 | フランス・コート・デュ・ローヌ地方 |
種類 | 赤ワイン |
品種 | ムールヴェードル種75%、シラー種20%、グルナッシュ種5% |
価格帯 | 3,000円 ~ 4,000円 |
1989年にパリでグラフィックデザイナーとして働いていた娘のマリーヌ女史が帰郷し、ドメーヌを継承してからビオディナミへの転換により評価をメキメキと上げています。
女神という名のついたワインで赤い果実やスパイス、トーストの深みのある香りで、力強さもありながら同時に透明感もある素晴らしいワインです。
日本になんと240本しか入荷されていない貴重なワインです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回紹介した赤ワインの品種6種類は、世界でも有名な品種が数多くあります。
今回紹介した赤ワインですと、価格帯もそこまで高くものばかりなので、ハウスワインとして週替りでそれぞれのワインを楽しむ事もできると思います。
各品種の特徴(味、香り、色)を捉え、自分の好きな品種を見つけて下さい。
旧世界のフランスを感じて理解できたら次は新世界に手を伸ばしてみて下さい。
また違った赤の品種に出会えると思います。