今回は、”南イタリアワイン”の美味しさを知るためのスタンダード6本を紹介します。
北イタリアワインとの違いを是非感じ取ってもらえればと思います。
イタリア南部(島ワイン)の特徴
カンパーニア州
カンパーニア州は古代ギリシャ人が造った都市ナポリを州都とします。
古い歴史を持つ南イタリアを代表する州です。
ナポリ湾を囲む広大な土地には、オリーブやぶどうの畑が広がり、ヴェスヴィオ火山がそびえています。
海側(ナポリ、イスキア島、カブリ島)と山側(アヴェッリーノ、ヴェネヴェント等)で気候や地勢が異なり、独自の食文化を形成しています。
代表的なワインは古代ギリシャ人がもたらしたアリアニコ種から造られるタウラージ(南イタリアのバローロと呼ばれる)があります。
グレコ種、フィアーノ種、ファランギーナ種からは、南イタリア屈指の爽やかで香り高い白ワインが生産されています。
乾燥パスタやピッツァの発祥の地としても有名なカンパーニア州では、白ワインには魚介のパスタやスープ、色鮮やかな野菜類を使ったパスタ、赤ワインにはグリルやローストした肉料理、チーズがよく合います。
プーリア州
プーリア州はイタリア半島の長靴のかかと部分にあたります。
ブドウ生産量はイタリアの中でも1, 2位を争うワイン造りの盛んな州で、気候、地勢によって、北部とサレント半島を中心とした南部に分かれ、それぞれ伝統的な品種を使った個性的なワインが造られています。
北部は、世界遺産でもあるカステル・デル・モンテの近郊で造られる、ネーロ・ディ・トロイア種、ボンビーノ・ビアンコ種、ボンビーノ・ネーロ種などを使った辛口の赤・白・ロゼなどが知られています。
白やロゼはアドリア海沿岸で獲れるタコなど魚介類とよく合います。
南部はネグロアマーロ種、マルヴァジーア・ネーラ種やプリミティーヴォ種を中心とした色の濃い、しっかりした赤ワインが造られており肉料理などとよく合います。
バジリカータ州
バジリカータ州はイタリア半島の長靴の土踏まずに位置します。
ティレニア海とイオニア海に開けている一方、山岳や丘陵がその大部分を占め、農業の地、羊や山羊の放牧が盛んです。
古代にはルカニアと呼ばれ、ギリシャの植民地の一部だったこともあり、ワイン造りの歴史は長く、中でも、古代ギリシャ人が持ち込んだアリアニコ・デル・ヴルトゥレは南イタリアを代表する赤ワインとして知られています。
カラブリア州
カラブリア州はイタリア半島の長靴のつま先部分です。
メッシーナ海峡を挟んでシチリア島が目の前にあり、山地が4分の3を占める農業が盛んな州です。
古代ギリシャの植民地時代には、エノトリア・テルス(ワインの大地)と呼ばれ、ギリシャ時代のワイン造りの名残を伝えています。
カラブリアで最も有名なワインで古い歴史を持つチロワインには、ガリオッポ種から造られる深い色調でブーケに富んだエレガントな赤ワインと、フレッシュでフリーティさが魅力のロゼワイン、グレコ種から造られる花のアロマを持つ果実味のしっかりとした白ワインがあります。
代表的な食材は、豚肉、野菜、唐辛子、オリーブオイル、ティレニア海の魚介類(カジキ、マグロ、貝類)があります。
また果物の砂糖漬けやチョコレートをかけたイチジクも有名で、デザートワインともよく合います。
シチリア州
シチリア州は、地中海で一番大きな島であるシチリア島と周辺の島々を含んでいます。
シチリア島では主に、その北東部に一するエトナ山の裾野に広がる、山がちな内陸部と沿岸部で広くワイン造りが行われています。インツォリア種、ネーロ・ダーヴォラ種といった伝統的な品種やシャルドネ種、カベルネ・ソーヴィニヨン種など国際品種を使って、高品質なワインが造られています。
豊かな近海からもたらされるイワシやマグロなどの海の幸をウイキョウやケッパー、ローリエなどのハーブやレモンなどと調理したシチリア料理は清涼感のある地ブドウの白ワインとよく合います。
また、古くから有名なマルサラをはじめ、甘口のワインも多く造られています。
サルデーニャ州
サルデーニャ島は地中海に浮かぶシチリアに次ぐ地中海第二の大きさを誇る島で、沿岸部にはエメラルド色の海とリゾート地、内陸部には険しい山が連なっています。
常に他民族の支配を受けてきた歴史から、独特の文化を育んできました。
南西部は温和な気候で農産物が豊かな土地で、内陸部は羊の放牧が盛んな土地です。
北部一帯は一大リゾート地で、特に北西部アルゲーロは海を隔てたスペインの影響が残り、高級リゾート地としても有名です。
代表的なブドウ品種はカンノナウ種(ガルナッチャとグルナッシュと同じ品種)とヴェルメンティーノ種です。
カンノナウ種からは辛口で温かみのある赤ワインが、ヴェルメンティーノ種からは爽やかでフリーティな白ワインが造られています。
料理には昔ながらの伝統が残っていて、スペインの影響が感じられます。
山岳地の代表的な食材、野禽類、仔豚、羊には赤ワインが、沿岸地の有名な海の幸、伊勢エビ、ボッタルガ(からすみ)には白ワインがよく合います。
南イタリアおすすめワイン6本
STAR TERRE SICILIANE BIANCO 2015
名前 | スター テッレ シチリア ビアンコ 2015 |
生産者 | ドゥーカ ディ サラパルータ |
生産地 | イタリア・シチリア州 |
種類 | 白ワイン |
品種 | インツォリア種60%、シャルドネ種40% |
価格帯 | 1,000円 ~ 2,000円 |
星のラベルが印象的な白ワインスターが、新しいボトルデザインで、よりフレッシュな味わいのワインにリニューアルされました。
ブドウはやさしくプレスし、香りのよいモストを短時間果皮と接触させます。
ワインはやや発泡を感じ、軽やかな味わいに仕上がっています。
夏限定のスポットワインです。
PETRALUCE VERDECA SALENTO 2015
名前 | ペトラルーチェ ヴェルデーカ サレント 2015 |
生産者 | カステッロ モナチ |
生産地 | イタリア・プーリア州 |
種類 | 白ワイン |
品種 | ヴェルデーカ種100% |
価格帯 | 1,000円 ~ 2,000円 |
プーリア州サリーチェ・サレンティーノの地にそびえる14世紀築城のカステッロ・モナチ(モナチ城)を社名とした1975年創業のワイナリーです。
土着品種ヴェルデーカ種から造られたワインは、果物や花の香りがあり、フレッシュで飲み心地の良いミネラル感のある白ワインです。
ワイン名はペトラ(石)、ルーチェ(光)を組み合わせた造語です。
GERSO BIANCO 2015
名前 | ジェルソ ビアンコ 2015 |
生産者 | ポデーレ |
生産地 | イタリア・プーリア州 |
種類 | 白ワイン |
品種 | フィアーノミヌートロ種100% |
価格帯 | 2,000円 ~ 3,000円 |
フィアーノミヌートロ種は、プーリアに古くからある土着品種です。
フィロキセラ化以降、忘れさられてしまいましたが、近年再び注目を浴びています。
プーリアの中でも北部でしか栽培されていません。
しっかりとした骨格、生き生きとした酸、アロマティックなフレイバーがバランスよく構成された、フレッシュなワインです。
生産量は少なく、3,000本限定です。
AGLIANICO DEL VULTURE 2012
名前 | アリアニコ デル ヴルトゥレ 2012 |
生産者 | レ マンフレディ |
生産地 | イタリア・バジリカータ州 |
種類 | 赤ワイン |
品種 | アリアニコ種100% |
価格帯 | 2,000円 ~ 3,000円 |
商品名のTTはTaglio del Tralcioの略で、収穫前にブドウの枝を一部霧、樹液を排出させてブドウの実を少し干したような状態にして収穫する手法の名称です。
凝縮感のある果実味、ココアやブラックチェリーを思わせる香りの中に、バルサミコを感じます。
火山性の土壌に由来するミネラルが感じられる魅力的なワインです。
MARU NEGROAMARO SALENTO 2014
名前 | マル ネグロアマーロ サレント 2014 |
生産者 | カステッロ モナチ |
生産地 | イタリア・プーリア州 |
種類 | 赤ワイン |
品種 | ネグロアマーロ種100% |
価格帯 | 1,000円 ~ 2,000円 |
マルは黒を意味するサレント地方の方言です。
バリックとステンレスタンクで6ヶ月熟成させたワインは、濃厚なガーネット色で黒い果実の香りがあり、甘みがしっかり酸味は穏やかでかすかに苦味を感じます。
この価格にして濃厚なしっかりとした赤ワインで、毎年すぐに売り切れてしまうワインです。
PATRIGLIONE ROSSO DEL SALENTO 2006
名前 | パトリリオーネ ロッソ デル サレント 2006 |
生産者 | タウリーノ |
生産地 | イタリア・プーリア州 |
種類 | 赤ワイン |
品種 | ネグロアマーロ種90%、マルヴァジアネーラ種10% |
価格帯 | 7,000円 ~ 8,000円 |
2000年以上前からブドウ栽培がされていたというプーリア州サレント半島の中心にあるワイナリーです。
先祖から引き継いだ畑で愛情豊かに育てたブドウで、1972年からボトリングワインの生産を開始しました。
ロゴの雄牛同様、力強い濃厚な赤ワインに仕上がっています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
南イタリアでは、土着品種もたくさん栽培しており、ワインの楽しみ方が広がると思います。
値段的にも手頃な価格で、買うことができるので、デイリーワインとして飲むことができると思います。
イタリア料理の代表である、パスタやピッツァに合わして飲むことをオススメします。